令和4年度卒業生のみなさん、ご卒業、おめでとうございます。

 1年間、みなさんの活躍ぶりに本当に楽しませていただきました。6月のインターハイ県予選での活躍。9月の学校祭での、発表者を大切にした一体感のある学校祭。就職試験や大学入試のための受験勉強や小論文、面接練習などへの真剣な取り組み。みなさんが卒業してしまうことは本当に寂しいですが、それぞれが進んだ道での活躍を期待しています。

 さて、年末に行われた、全国高校バスケットボール選手権大会(ウインターカップ)では本校の女子バスケットボール部が、インターハイに続きベスト16に入る大活躍をしました。1回戦は、広島の強豪、清水ヶ丘高校に、113-60で圧勝しました。2回戦は、神奈川の強豪、鵠沼高校に前半を終えて11点のビハインドから、後半、3年生を起点に理詰めのプレーで一気に攻勢し、81-70と大逆転して8年ぶりのベスト16へ進出しました。ベスト8進出をかけた3回戦は、ウインターカップ優勝3回、準優勝5回の伝統校、東京成徳大学高校に善戦むなしく、58-88で敗れてしいましたが、先発陣の平均身長が10センチ以上も上回る相手に、臆することなく、懸命にボールに食らいつき速攻を仕掛ける堂々とした戦いをしました。シュートが入らなくても、またボールを奪い返して何度でも攻め返しました。得意の後半、疲れで相手の動きが止っても運動量は落ちることなく持ち味の速攻で攻め続けました。3Qを17-16、4Qを25-21と驚異的な粘りで追い上げましたが、前半につけられた得点差をひっくり返すことはできませんでした。足羽の最大の強みである、走力を活かした攻めを貫き、選手たちは、やり切ったという思いで一杯だったはずです。

 ところで、女子バスケットボール部の強さの秘密はどのようなところにあるのでしょうか。もちろん、才能のある選手たちが、日々、厳しい練習に取り組んでいるからだと思いますが、どうも、それだけではないようです。顧問の先生に話を聞いてみると、

 ◇苦しい場面でも、その苦しさにじっと耐え、逃げずに苦しいことに挑んでいけること。

 ◇素直な心をもって人の意見を聞き、常に反省し、向上し続けられること。

 ということも強さの秘密であることが分かってきました。このような資質を持ったメンバーで構成されるチームですから、周りの人から愛され、応援されて、勝ち続けることができているのかもしれません。苦しい場面でも逃げずに立ち向かっていけること、素直な心をもって人の意見を聞きけることは、女子バスケットボール部の生徒に限ったことではないはずです。3年間、女子バスケットボール部の生徒を間近で観て、同じ学び舎で高校生活を送り、同じ教室で学んできたのですから、足羽高校の生徒全員に、これらの資質が備わっていないわけがありません。

 みなさんは、近い将来、社会に出ていくことになります。その時に、この足羽高校で身に付けた資質を武器にして、どのような自分になりたいかを明確化し、そうなるために必要な努力を継続してください。みなさんには与えられた時間が多くあります。次につながる失敗なら、いくらしてもよいのです。失敗を恐れず、前向きに、ひたむきに行動してください。そして、いつか、自分が主役にならなければならない出番が必ず回ってきます。その時に、人のために力を発揮できる自分らしい輝きを持った素敵な大人になってほしいと思います。

校 長  山 本  寛