10月に入り、すっかり秋らしくなりました。勉強や部活動など、何をするにも、とてもいい季節です。3年生のみなさんは、すでに進路が決定した人もいるでしょうし、これから受験という人もいるのではないでしょうか。進路が決まった人は、進路がまだ決まってない人が集中しやすい環境を作ってあげてください。2年生の皆さんは、中間考査、期末考査に向けて力を蓄えていってください。部活動でも、新人戦に向けての新チーム作りや競技力を向上させてください。

 さて、今日は、小説家、井上靖(いのうえ やすし)の「努力する人は希望を語り、怠ける人は不満を語る」という言葉を紹介します。本気で努力している人は、『希望』を口にします。不満を言いながら努力を続けることなどできないからです。

 例えば、本校の男子バスケットボール部は、今、ベスト4に定着するために一生懸命です。何度か練習の様子を見させてもらいましたが、『このせいで勝てないんや。あれのせいで練習ができないんや』などの不満を口にしている人はいませんでした。全員が努力を続けながら『今度こそは』と希望の言葉を口にしていました。

 『努力』と『希望』はワンセットです。努力するから希望が湧く、希望が湧くから努力するのです。私たち人間は、ついつい現状の不満ばかりに目を向けて、努力を怠る癖があります。そうならないために、意識的に『希望』に目を向けていく”努力”が必要なのです。私自身も、ときどき、この言葉を思い出し、今の自分はどちらを口にしているのか、自問自答することがあります。『不満』を口にしているときには、意識的に『希望』を語るようにしています。

 また、井上靖は、「何でもいいから夢中になるのが、どうも、人間の生き方の中で一番いいようだ」ということも言っております。もし、周りや環境に不満を言っている人がいたら、不満を言うことをやめて、希望の言葉を意識的に口にして、前向きに思考して、ひたむきに行動してみてはいかがでしょうか。あなたの周りに人が集まり、これからの人生がきっと明るくなると思いますよ。

校長 山 本  寛