令和4年度が始まって1ケ月が経ちました。もう、新しい環境に慣れましたか。始業式に、4月から、成年年齢が引き下げられ、18歳以上は成年(=大人)として扱われるようになるという話をしました。
今日は、丹生高校から広島東洋カープに入団したプロ野球選手 玉村昇悟さん(21歳)の話を紹介して、みなさんと一緒に「大人になるとはどういうことか」について考えてみたいと思います。
玉村選手がプロ野球選手になってすぐ、周りの先輩たちを見て、次のように思ったそうです。「18歳でプロ野球の世界に入って、間近で見る先輩たちは、やっぱりすごくかっこいいし、大人だなと思いました。指示待ちじゃないというか、なんでも自分で考えて進める。高校までは、監督が全部指示してくれたけど、プロは自分から求めていかないと誰も言ってくれない。なんでも積極的にいかないといけない。」高校生からプロになってすぐの玉村選手は、周りの先輩を見て、大人とは、「指示待ちではなく、自ら考えて行動できる人のこと」と感じたようです。
また、寮生活を通して、次のようにも語っています。「初めての寮生活で、食事以外の洗濯や掃除は、全部自分でやっています。高校までは全部、親任せでした。高校は先輩でも2歳しか離れていなかったけど、今は、普通に一回り違う人もいるので、礼儀は、最初にすごく教えられました。最初は緊張したし、気を使うので疲れましたが、コミュニケーション能力とか礼儀がすごく大事だと感じました。失礼なことはしないよう、今でも声をかけるタイミングには気を付けています。」初めて親元を離れて一人暮らしをした経験を通して、大人とは、「自分のことは自分で行い、相手に失礼のないよう気を遣うことができる人のこと」と気付いたようです。
更に、玉村選手は、先輩たちの野球に取り組む姿勢を見ながら、次のようにも語っています。「勝ったらテンションが上がって、負けたら落ち込むみたいな、気分で行動することがないし、1試合に懸ける思いが全然違います。でも、感情のコントロールがうまくて、結果に一喜一憂しません。人のせいにはせず、責任感がすごく強いです。(中略)コロナ過で、大学生の同級生は外食をしたり、遊びに行ったりするときもあるみたいですけど、僕たちはチームに迷惑がかかるので行きません。プロになって、発言一つにしてもニュースになります。そういうところは責任があります。1人の20代の若者としてどう見られるかとか、周りの目をすごく気にするようになりました。遅刻も怖くて絶対できません。自分の行動で周りに迷惑がかかるということを同世代の人にも考えてほしいです。」感情のコントロールがうまい、責任感が強い、周りに迷惑をかけないなどの、先輩たちの高いプロ意識を大人と感じているようです。
今日は、高校卒業と同時にプロ野球の世界に入った、玉村選手が考える「大人になるとはどういうことか」を紹介しました。これらは、あくまで玉村選手の考えです。このことの答えは、無限にあるはずです。みなさんにとって、大人になるとはどんなことか考えてみてください。そして、近い将来、みなさんが大人になったときに、周りの人から素敵な大人と言われる言動ができるようになってほしいと思います。
校長 山本 寛